正式には大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)・大聖歓喜自在天・大聖歓喜双身天王などといい、通称「聖天さま」といわれています。ヒンズー教で信仰されている象頭人身のガネーシャという神様が、十一面観音さまの法力により仏教に取り入れられたもので、形像は主に象頭人身の単身と双身とがあります。聖天さまは大変霊験あらたかで、仏教の守護神として崇拝され、その尊像は厨子の中に奉安されている「絶対秘仏」です。
なお、聖天さまには、大根・歓喜団(巾着型のお菓子)・御神酒などのお供えが不可欠です。
毎月1日、当山御用達「うさぎや」謹製、特注の御紋菓をご本尊様にお供えしております。
御紋菓の型に昭和11年5月吉日と銘があり、歴代の熟練の職人により丹精込めて作られております
聖天さまのご利益は、「二股大根…夫婦和合・縁結び・家内安全など」と「巾着袋…商売繁盛・金運・子孫繁栄など」とに表され、境内や堂内、授与物などの至るところにそのご利益の象徴が印されています。
元禄の開基以来、当山は「湯島の聖天さま」として知られ、熱心な信者の参詣があり、ミカン船で有名な豪商・紀伊国屋文左衛門も当山に帰依した一人でした。
(文学博士・林屋友次郎著『大聖歓喜天利生記』より抜粋)
湯島天神は学問の神様「菅原道真公」を祭神としていますが、道真公が藤原時平の讒言にあい、その冤罪をそそぐために九州天拝山にて聖天さまに祈念されました。道真公は熱心な聖天さま(大聖歓喜自在天)の信仰者であったため、その神号を「天満大自在天神」ともいいます。大自在天とは聖天さまの別名です。また、天神様の本地仏(ご本体)は十一面観音です。