1923年(大正12年)9月1日の関東大震災は、東都に未曽有の惨禍をもたらした。当時の町会長を中心として有志は、罹災者の安寧と早期復興を願い、300年来、火伏寺としての伝統を持つ心城院の協力を得て、災害復興地蔵尊(右)を当地に建立し、震災で亡くなった方々の冥福と地元の平和発展を祈った。
その後、1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲では、隣接町会がほとんど焼土と化した中で、当町会は一軒の損失もなく、その難を免れた。これは「お地蔵さん」の御加護によるものと、往時の人々の心に深く刻まれた。
左に奉安の尊像は、戦後復興の兆しがみえてきた頃のある朝、突如出現された。由来こそ定かではないが、お心安らかなそのお顔は、いつしか「幸せ」を呼ぶ地蔵尊(幸福地蔵)として親しまれている。この二体の地蔵尊は、地元天二町会をはじめ近隣地域の大切な守護神として、その後の繁栄を見守っている。
以前の地蔵尊は露座でしたが、平成25年の関東大震災90周年を迎えるにあたり、平成24年9月に天二町会リサイクル推進部様より、地蔵尊覆堂が奉納されました。